前回は、上場のメリット・デメリットについてお伝えいたしました。https://www.miraikeiei-partners.com/blog/37aa67147b7
今回は、いったい上場するのにいくら必要なの?という質問が多いことから、上場にかかるコストについて簡単にお伝えします。
金銭的コストは、上場準備中、上場時、上場後の3つのフェーズに分かれます。
1.上場準備中
上場準備は、「上場しよう」と思ったときから始まります。また、準備期間は最低2年間ですが、通常2年以上、企業によっては10年かかるなんてこともあります。上場準備の金額がかかる項目とおおよその金額は以下のとおりです。ざっくりまとめると、上場年から2年前までは年間2〜5千万円が追加のコストとしてかかってきます。諸条件により金額は異なりますので、あくまで目安としてお考えください。
証券会社:上場コンサルティング料 年間600万〜1500万円程度(1〜2年間以上)
監査法人:ショートレビュー 数十万円〜100万円台(1回)、コンサルティング・監査報酬 年間600万円〜2000万円(2年間以上)
役員:取締役、監査役などの招聘:役員報酬料 月額数十万円〜100万円×数名
経営企画・内部監査・経理・総務:人件費 年収400万〜1000万円×複数名
その他コンサルティング(内部統制等 300万円~600万円)
2.上場時
証券会社引受手数料 資金調達額×5.5%~7%(費用計上されない)
証券取引所審査料・手数料 300万円~
印刷会社印刷費・システム利用料 1,000万円
証券代行 株式事務 400万円~
メディアPR費用その他パーティ等 100万~1000万円
3.上場後
監査費用:1,000万円~
IR担当:人件費 年収400万〜1000万円
証券代行 株式事務 1,000万円~/年
株主総会運営費 数百万円~
証券取引所 上場維持手数料 50万~400万円/年
その他ガバナンスや管理体制維持改善にかかるコスト数百万円~数千万円
以上がざっくりとした上場にかかるコストと項目です。あくまで代表的な項目でこれ以外にも追加で経費が発生する可能性があります。上場すれば様々な恩恵が受けられますが、これらのコストを超えて利益を創出していかなければなりませんので、私が経営者にお伝えするときは、年間のコストを粗利率で割って追加で必要な売上創出額などをお伝えしております。
加えて、今後少しずつブログに書いていきますが社内規程の整備、内部統制など様々な管理体制を構築する必要があり、それに係る人員や経営者の意思決定の量は圧倒的に多くなります。このあたりもまた別の機会にご紹介します。
お読みいただきありがとうございました。